第4回:若手現場監督がよくつまずくポイントとその乗り越え方

現場監督

こんにちは、現場監督引退です。

現場監督として現場に出始めた若手が最初にぶつかる壁は、技術でも知識でもなく、実は“現場特有の空気”や“人間関係”かもしれません。
誰でも最初は戸惑うものですが、焦らなくて大丈夫。
私自身も若い頃には多くの失敗を経験し、後輩たちのつまずきにもたくさん立ち会ってきました。
今回は、若手現場監督が「つまずきやすいポイント」と「どう乗り越えるか」について、私の経験を交ながらお話ししていきます。

職人さんとのコミュニケーションが怖い

年上のベテラン職人さんとの距離感に戸惑うのは、ほとんどの若手が一度は経験する悩みです。
現場独特の空気や話し方に圧倒され、「自分なんかが指示していいのか…」「自分の話を聞いてくれるのか…」と萎縮してしまうこともあるでしょう。
でも大切なのは、うまく話すことではなく、誠実な姿勢と指示を伝えることです。
とにかくまっすぐに「お願いします!」とやりたい事を伝えてみましょう。
話を聞いてくれたときの「ありがとうございます」「助かりました」のひと言は、忘れずに。この繰り返しが驚くほど信頼を生んでいきます。


段取りがうまくできない

現場では「段取り八分、仕事二分」と言われるほど、段取りが重要です。
しかし最初から完璧にできる若手などいません。
「材料の手配を忘れた」「工程がかぶってしまった」――こうした失敗はすぐにフォローすることが重要です。必ずあなたのそばには先輩や上司がいるはず。対応を相談し、すぐにフォローする。これを繰り返すことで、確実に成長につながります。
先輩もみんな同じように失敗してきました。失敗しても早い判断・対応を続ければ、職人さんとの信頼関係を築くことができます。失敗を恐れず、「これは自分の財産になる」と前向きに捉えていきましょう。


図面が読めない・施工のイメージが湧かない

現場監督が見る図面には、設計図と施工図・製作図があります。
それぞれがどういう意味を持つ図面かを現場監督になるには理解しておくべきです。

設計図

建物を作るうえでの一番の基本は設計図です。発注者と設計者の思いが存分に詰まっています。これをわれわれ施工者が形に変えていきます。
設計図には、意匠図、構造図、機械設備図、電気設備図、昇降機設備図などがあります。
一つの図面にすべての情報を盛り込むと、何を書いているのかわからなくなります。
なので同じ場所でも情報が異なる図面を何枚も作り、設計者の思いを表現しているのが設計図です。

施工図・製作図

バラバラの図面にそれぞれの情報が書かれていると、どこに必要な情報があるのかがわからず、工事をするには不向きです。工事をする人が見てわかるように、情報をまとめたものが施工図になります。施工図は現場で職人さんが作るための図面です。施工図をつくのも現場監督の仕事の一つです。
製作図は鉄骨や建具など、場外の工場で製品を製作するための図面になります。製作図はその製品を作る会社が作成し、現場監督や設計監理者がチェックし、発注します。製作図のチェックも現場監督の仕事です。
「図面のどこを見ればいいのかわからない」「構造図と意匠図の整合が取れず混乱する」――こうした声も若手によくある悩みです。まずは図面の作り方を理解することが一番ですが、早く覚えるためには設計図をよく見ることと、図面と現場を照らし合わせながら学ぶこと。「この線はあの壁」「この記号はこの金物」と実物と照合することで、図面の理解は一気に深まります。

また、わからないことは職人さんや先輩に遠慮なく質問することが一番の近道です。


自信が持てない・責任の重さに押しつぶされそう

「自分が管理して本当に大丈夫なのか」「失敗したらどうしよう」――そんなプレッシャーに押しつぶされそうになる若手も多いです。
でも安心してください。現場は一人で背負うものではなく、チームで動くものです。
あなたの失敗は周りがカバーしてくれます。失敗を繰り返すことで、成長していくのを先輩たちはよくわかっています。たまには厳しい指導があるかもですが、素直に謝り、どんどん相談して問題解決していきましょう。

【まとめ】

若手現場監督がつまずくのは、ごく自然なことです。
大切なのは、失敗を恐れず、少しずつ前進すること
知識も、技術も、人との関係も、すべては“積み重ね”です。

焦らず、自分のペースで。
そして「なぜ失敗したのか」「次にどうするか」を考える習慣を持つことで、必ず一歩ずつ成長していけます。
失敗したとき、次にどう行動するか。これが大事だと思います。


【次回予告】

次回は「現場監督の1日〜1日ってどんな流れ?〜」をテーマに、
現場監督としてのリアルな一日のスケジュールを、ご紹介します。
現場監督の“中身”を知りたい方は、ぜひご覧ください。

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