こんにちは、現場監督引退です。
私は25年間、現場監督として様々な建物の工事に携わってきました。
その経験から、「現場の良し悪しは“人間関係”で決まる」と感じています。
図面が整っていても、工程表が完璧でも、チームの空気が悪ければ現場はスムーズに進みません。
逆に、人間関係がしっかりしていれば、多少の困難は乗り越えられる――それが現場の本質です。
今回は、「現場を一つのチームとしてまとめるために、現場監督が意識すべきこと」を3つの視点からお話しします。
現場監督職員同士の“信頼と連携”
まず最初に大切なのは、現場監督同士の関係性です。
ここが乱れていては、現場は成り立ちません。
現場所長と所員、それぞれに果たすべき役割があります。
所長は、誰よりも知識と知恵を持ち、よく考え、正しいと信じる方針を明確に示すこと。
所員は、その所長の考えを正しく理解し、形にしていくこと。
この関係ができていれば、全体の判断や現場方針がブレることはありません。
また、情報共有や役割分担もスムーズになります。
現場は忙しく、プレッシャーも大きいですが、同じ方向を向いて動けるチームであれば、それを乗り越える力が自然と生まれます。
協力会社(専門工事会社)との信頼関係
次に重要なのが、協力会社(専門工事会社)との信頼関係です。
専門工事会社は、設備、鉄骨、内装、電気など、それぞれの分野に特化した“プロフェッショナル集団”です。
現場監督は、そのプロたちに敬意を持って接することが大前提です。
ただし、敬意を持つだけでは不十分です。
彼らと“対等に話せる”だけの知識や理解を持つことも求められます。
現場監督も日々学び続け、専門性を身につけなければなりません。
そうして築かれるのが、「頼り、頼られる関係」です。
お互いに尊重し、補い合える関係性が、現場の力を最大限に引き出します。
職人との日常的な関係づくり
そして、現場を動かす最前線にいるのが職人さんたちです。
彼らとの関係性も、日々の積み重ねが何より大切です。
・朝の「おはようございます」
・作業後の「今日もありがとうございました」
・安全作業や品質確保への感謝の声かけ
こうした日常的な挨拶や感謝の一言が、職人との信頼関係の基礎を築きます。
「見られている」「気にかけてくれている」と感じることで、職人のモチベーションも上がります。
最後に、実際に手を動かす職人さんたち。
彼らと良い関係を築けるかどうかは、現場の雰囲気を大きく左右します。
まとめ:現場は“人で動く”仕事
建設業はモノづくりですが、それ以上に“人づくりの仕事”です。
技術や段取りも大事ですが、現場を動かす一番の力は、人と人との信頼です。
- 職員同士で方向を揃える
- 専門工事会社と信頼でつながる
- 職人との日常を丁寧に築く
この3つの関係がうまくまわっていれば、現場は自然と良くなります。
「この現場なら頑張れる」「この人のために協力したい」――
そう思ってもらえる現場監督でありたい。
それが、私が現場で大切にしてきた“チームづくり”の基本でした。

【次回予告】
次回は、「現場監督という仕事の“やりがい”と“しんどさ”」をテーマにお届けします。
現場の厳しさと面白さ、両方のリアルをお伝えできればと思います。
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